Signature Product of the Month | vol.5 | Ledge:able

Ledge:able

Signature Product = LOGAN atelierのトレードマークとして、自信を持って皆さんにお届けできるデザイン家具をご紹介していく特集。vol.5は、デンマークから届いたブランドAnne Lindeの『Ledge:able(レジブル)』です。北欧というと皆さんナチュラルで優しくて暖かい、無垢材を使った家具や雑貨を想像される方も多いかと思いますが、このAnne Lindeはナチュラルで優しくて暖かい、金属板を用いた家具を生み出しています。金属板の加工のしやすさ、自由な造形をうまく活かし使い手の創造力を掻き立てる多用途な作品を是非ご覧ください。

Ledge:able は1枚の粉末塗装されたスチールで成形されていますので溶接の跡は一切ありません。吊り下げの穴も表面からは見えませんので、見た目はとてもすっきりとしています。またスチールの特性として、耐久性に優れており、磁石を付けることだってできます。




——今回特集させていただくLedge:able(レジブル)をデザインされたAnne Linde(アン・リンデ)さんにお話し伺います。まずは簡単に自己紹介をお願い出来ますか。

デンマークのコペンハーゲンに、夫と2人の子供と住んでいます。自宅は街にも海にも近い場所にあります。もともとはファッションデザインから入ったのですが、違う材質も使ってみたいという探求心から今の業界に転身しました。あれはイギリスのマンチェスターで学位を取得している時ですが、それはもう金属に夢中になってしまいましたね。




——日本の製品についてなにか特別な印象はお持ちでしょうか。

デンマークと日本はデザイン分野において類似点が多くあります。デザインに対する哲学であったり、機能性であったりと。ですので私にとっても日本のデザインは非常に魅力的です。




——Anne Lindeのデザインコンセプトを教えてください。

写真 私は普段から、従来の家具としての領域を押し広げる創造的なソリューションをご提案するように意識しています。まさに金属という素材が機能性を犠牲にすることなくイメージ通りの形を作り上げてくれますので、文字通りに私の作品の核として存在しています。

Anne Lindeブランドの家具は、組み合わせを探って自由な発想でレイアウトできるように設計されています。一つ一つのデザイン、それ自体でエキサイティングでシンプルに作りあげられていますが、コラボレーションを生むことで、より大きな商業スペースでもソリューションを見出すことができるようになっています。より大きなスペースに展開されるときこそが真骨頂となり、より一層に彫刻のような落ち着きとダイナミックさを深く感じることができます。


——実際にAnneさんのポートフォリオを拝見していると良く分かりますが、基準とするものを見つけて、そこから他のシリーズ品であったりアクセサリーであったり組合せを考えるだけでも想像力が膨らみますよね。まさに組み合わせ次第で多目的になる非常に使い勝手のよい家具だと言えるかと思います。作品のネーミングにもちょっとしたこだわりがあるようですが、その点も伺えますか。

仰る通りに、その製品があなたに何をしてくれるものなのかがイメージがつきやすいようにしていますね。ですのでネーミングには実用的なアプローチを用いています。 




——例えば「Ledge:able」で言えば、Ledgeが壁からつきでた棚、ableが出来るという意ですから、壁に取り付けることのできる棚といった具合でしょうか。「Showcase」なんかは、モノを陳列するスペースを指しますから本当にそのままですよね。なるほど確かに分かり易いです。
では話に挙がったところで。特集の目玉でもある「Ledge:able」について誕生秘話を伺ってみたいと思います。


写真 そのラインワークと形状はなによりもまず浮かんできました。素材を考えるよりも前でしたね。最初のデザインであるLedge:ableは、Anne Lindeの作品の中でも一番最初のデザインになるのですが、ふとした時に、ある種アイデアが私の頭に投げ込まれて、正直なところ描くのに数分しかかかりませんでした。これまで何百何千とアイデアを出してきましたが、最終的に製品化まで進むのは大概が直感的なものですね。

Ledge:ableが浮かんだ時は、ちょうどベッドサイドに棚は欲しかったんです。読みかけの本だったり、水、携帯電話を置いておけて、あまりスペースをとらず、そして掃除の簡単な棚が(笑)。私はベッドのそばにスペースをあまり取らず、掃除が簡単で、本、水、携帯電話などの必需品を保管できるものが欲しかった。1枚の金属板がシンプルな曲げ加工によって、これだけの美しい造形をつくりだすのですから本当に驚きですよね。


——仰るように工程としては複雑ではないようですが、製品化に至るまでにはどのような経緯があったのでしょうか。

まず最初に特殊な工具や高価な金型を必要としないという観点で金属加工にしようと決めました。自分でいくつかサンプルを作成して、早速コペンハーゲンにある有名なインテリアデザインショップに行ってプレゼンしたんです。するとすぐに採用してくださって、その後は、他のお店を説得するのは比較的容易でしたね。ただ現在に至るまでには、それはそれは長いプロセスと長い学習曲線ですよ。起業家として事業を行うには販売から経理などに至るまですべてのことを学ばなければならないですからね。




——日本の皆さんに一番見て貰いたい点はどちらになりますか。

日本の皆さんが製品のシンプルさ、美しいライン、機能性、そして可能性を見出してくださることを願っています。Anne Lindeの製品はすべて、皆さんの想像力を掻き立てるようにデザイン設計されていますから。




——先ほど話にも出ましたが、デンマーク含む北欧と日本のデザイン文化には共通点が多いですから、きっと想いは伝わると思います。
Ledge:ableのカラーバリエーションについても触れていきたいのですが、現在はWhite | Black | Greyblue | Light Clay | Dusty Green | Anthraciteといった6色で展開されています。本当にどれも優しい色合いで迷ってしまうのですが、ご自身の中で推しているカラーがあったりしますか。


私も全6色共にとても気に入っているのですが、強いて言えば白でしょうか。白はとても落ち着いた中立的な色で、決して飽きることがありません。気分によって付属のアクセサリーであったり壁の色を変えることができますが、白は永遠です。

写真 写真




——ものづくりをする上でベースとなっているコンセプトはありますか?

時代を超越したシンプルさ。単独でも十分に機能するけれど、組み合わせ次第で2にも3にもなる製品。使用者の創造力を掻き立てる作品作りをコンセプトにしています。




——創造性の原点・デザインインスピレーションの源は?

写真 70年代に「スペース・1999」(『サンダーバード』で知られるイギリスのジェリー・アンダーソンが製作した、SF特撮TVドラマシリーズ)を見て育った私としては、近未来的な宇宙空間にとても魅了されました。そのインテリアはすべて白、オーガニック、そして未来的でした。サイエンスフィクションが好きなんですよね。


——Anneさんの中でデンマークのデザインを一言でいうとどの様な特徴があるのでしょうか。

機能ありきでの形状というのは、デンマークのデザインの伝統の一部のように思います。徹底して無駄を省き、製品が機能するために必要な最低限のもののみを残すのです。




——それでは、最後に日本の皆さんになにか一言あればお願いします。

デンマーク人にとって、日本は地球上で最もクールな国の1つです。日本が示す伝統とモダンの融合は本当に素晴らしいです。デンマーク人よりも大胆で、そういった側面もとても羨ましいです。そんな日本の皆さんが私のデザインを気に入り、受け入れてくださることを願っています。ぜひ日本の家屋に飾られた私の作品を見てみたいですね。



[製品情報]
White | Black | Greyblue | Light Clay | Dusty Green | Anthracite - 28,900 yen




写真 Anne Linde
プロダクトデザイナー
デンマークのコペンハーゲン生まれ。ファッションデザイナーとしての経験を軸に、シンプルさの追求、そしてスチール造形に対する愛情を表現するためにAnne Linde Apsを設立。
ロングライフで機能的であることを前提として、スタイリッシュで彫刻的な側面も持ち合わせた家具をデザイン設計することをブランドの目的として創作活動に励む。


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