Signature Product of the Month | vol.6 | Deluxe Whiskey Stone Set

ウイスキーストーン

Signature Product = LOGAN atelierのトレードマークとして、自信を持って皆さんにお届けできるデザイン家具や製品をご紹介していく特集。

vol.6では、9億年から25億年という想像もつかないほどに壮大な歴史を有する岩盤より採掘された石を使い製品化されたLithologieの『Deluxe Whiskey Stone Set(ウイスキーストーン)』をご紹介します。
ウイスキーストーンの起源がヴァイキングの時代に既にあったということ、目的志向で既存製品との差別化のために敢えて加工の困難(研磨工程に丸4日間を費やす)な石材を選んだこと、そして人との出会いなど偶然に偶然が重なりこの素晴らしい製品が作りあげられたことなど、普段お店では決して知り得ない実のあるお話を伺う事ができました。
石に対する強い想いや情熱、そして愛が溢れんばかりのインタビューでした。




——vol.6の特集は、ウイスキーストーンを手掛けるLithologie。創業者でありデザイナーのKimさんと、地質学者のStephaneさんの2名。まずは自己紹介をお願いします。

Kim(以降K):産業デザイナー兼、起業家のKimです。同じく起業家である家族の影響もありLithologieを立ち上げました。旅行が好きで、その国々の人々や異文化との出会いを楽しんでいます。また現状に満足することなく、常に向上心を持って前を向くようにしています。そしてなによりも石が大好きで石の事ばかり考えています。

Stephane(以降S):私は以前、大学で地質学を学びながら、プロスケーターを本気で目指していました!自分で言うのもなんですが、型破りな科学者だと自分では認識しています。今まで誰もやってこなかったことにチャレンジするのが好きで、Kimと同じで石に対しては人並みならない強い情熱を持っています。誰にも負けませんよ。




——Lithologieというブランド名の由来を教えてください。

Lithologie(リソロジー)はフランス語で「研究」、もしくは「岩石学」という意味です。私たちは文字通りにただひたすらに石について研究し、そして製品として取り扱わせてもらっていますのでこの名前にしました。

*カナダでは英語とフランス語が公用語




——創造性の原点・デザインインスピレーションの源は?

一番は豊かなカナダの自然の中で時間を過ごしながら研究を重ねること。あとは美術館を訪れたり、新しい人たちとの出会いは自分を成長させてくれるとても大切なものですね。




——Deluxe Whiskey Stone Setのコンセプトを伺えますか。

ウイスキーストーンの起源はとても古く、その昔ヴァイキングがウイスキーを冷やすために川の石を使っていました。ただ私たちは当然ながら当時をそのまま再現するつもりは毛頭なく、あくまでも本来の目的に沿って、如何にウイスキーを美味しく楽しめるか。どういった性質をもった石材がウイスキーストーンとして最も適しているのかを徹底的に研究してきました。
こうして、冷凍庫で急速に冷え、味も香りも移らず、そしてその硬度ゆえに欠けることもない石材に最終的に出会うことが出来ました。 

写真 写真




——誕生秘話などありましたら是非。

K:幼い頃から出かけるたびに綺麗な石を収集する癖があって、その日もモントリオール近郊のサットンという山へハイキングへ行き、いつも通りに石を集めていました。ジュエリーを作りたかったこともあり、どんな石を自分で拾ってきたのか興味もあって、誰か地質学について詳しい人が周りにいないか何の気なしにfacebookに石の写真を投稿してみたんです。こうして出会ったのが大学の友人の従兄弟で、今のパートナーでもあるStephaneでした!

写真 彼もとても興味を持って、メッセージを送ってきてくれました。ちょうど彼がカナダ政府主導のインターンシップに地質学者として参加していて、分析に必要な道具一式も手元に持っていたんです。

早速郵便で彼に石を送り、その約2週間後には分析結果が送られてきました。細かく砕かれた石と一緒に。。衝撃でしたね!折角集めたのにって(笑)でもこの時に思ったんです。彼となら何か面白いことができるんじゃないかって。

その後モントリオールで2、3度ほど直接会って話しました。案の定、石について話しだしたらお互いに止まらなくなって、それと同時に二人とも起業に興味があることも分かったんです。それで一緒にあらゆる石を用いたビジネスモデルの可能性を探ったんです。でも何カ月経っても一向に良いアイデアが浮かばず途方に暮れていた時に一足先にビジネスコンサルティングで起業していた友人に相談をしたんです。カナダには手付かずの大自然がまだ残っていて商品価値はあるのだけれども、果たしてどんなビジネスチャンスがあるだろうと。すると意外とあっさりと回答が返ってきたんです。「ウイスキーストーンなんてどうだろう」と。そこからは早かったですよ。数週間後には幾つかサンプルを作って早速友人の元を再び訪ねました。そしてそこからさらに数週間後、法人からの初めてのご注文を頂く事ができました。それがSalesforceさんでした。


——製品化に際して最も重要な工程、もしくは特に意識している点などあれば。

最も重要な工程は研磨ですね。このキューブの研磨には4日間を費やしています。私たちがウイスキーストーンに使用している石は、目的に沿った最適なものには間違いありませんが、その分硬度が大変高く、グラス内にも傷をつけにくい角のとれた滑らかな表面にするまでには時間と手間をかけています。




——この製品の特長を教えてください。

大きくは3点あります。
1/ カナダ国産。すべて手作業で採掘しています 2/ これらの石はLithologieに限りカナダ政府によって採掘が認められているものです 3/ 冷凍庫でたった30分*。また非多孔性の石であるために、味移り・香り移りなし
*一般的なソープストーン製の製品の場合、石が冷えるまでに約8〜10時間程度が必要




——デザイナーとして推している石種があれば教えてください。

写真 やはりGabbro(斑れい岩)でしょうか。Lithologieのコレクションの中で最も歴史のある石で約25億年も以前のものです。カナダ楯状地と呼ばれる北アメリカ大陸の中央部から北部に広がる先カンブリア時代に形成された非常に古い岩盤から採掘された、カナダ史を語る上でもとても貴重な石です。


——カナダの一般的なデザインには特徴や共通点がありますか。

最小限のラインと天然素材との組み合わせなど、スカンジナビアデザインに似た部分があると思っています。 基本を大切にする姿勢、派手すぎず、独創的で馴染みやすい製品。




——日本の製品についてはどのような印象をお持ちでしょうか。

日本製品はミニマルに美しく、思慮深くデザイン設計されており、なによりも実用的で心から尊敬します。私たちも常日頃、同じような心持ちでデザインと向き合っています。


——それでは、最後に日本の皆さんになにか一言あればお願いします。

Cheers!(乾杯!)



[製品情報]
石の種類は全3種
Dark Granulite with Hornblende / ダークグラニュライト
Gabbro / 斑れい岩
Hornblende Gneiss / 角閃片麻岩

各種 4 pcs - 5,980 yen
各種 6 pcs - 6,880 yen




写真 Kim(左)とStephane(右)
産業デザイナー兼、起業家と地質学者
カナダのケベック発のベンチャー。石への想いを共通項に、Kimの豊かな想像力とディテールへの強いこだわり。Stephaneの弛まぬ努力と研究心、そして丁寧な加工技術。二人のマリアージュが人々を魅了するストーリーを紡ぐ製品を作りあげました。
製品開発から数週間でsalesforceから受注。以降、特注でロゴをパッケージやウッドトレイに刻印することで社内イベントでのギフトとしても受注実績が多数。


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