Signature Designer of the Month | vol.11 | Thomas & Sureen Gouws

トマス・ゴウ

Signature Designer = LOGAN atelierのトレードマークとして、また一人の人間としても尊敬できるデザイナー個人をピックアップして皆さんにご紹介していく特集。デザイナー/作り手の人となりを知り、普段お店には並ぶことのないデザイン細部に至るまでの想いを理解し、「ものづくり」への愛を感じて頂く事で、皆さんが少しでも彼らのデザインを長く愛用するきっかけの一助となるように始めた企画です。

vol.11でご紹介するのは、ブレないコンセプトを軸に次々と新製品を発表している2019年に設立の新鋭ブランド、TOO Designs。

デザイナーとしての感性もさることながら、緻密に計算されたロジックと建築士としての20年間の経験に裏打ちされたプレイフルでオーセンティックな作品はどれも心を鷲掴みにされます。

また今回のインタビューを通してデザイナーとしてだけではなく、1人の親としての在り方や心構え、ワークライフバランスの大切さなどについて個人的にもためになるお話を伺えました。

TOO Designsのブランド名の由来も非常に興味深く、決して独りよがりになることなく、きちんとエンドユーザーと真摯に向き合っているお二人ならではだなと腑に落ちる部分がありました。

このインタビューを記事をご覧いただけたらきっともっとTOO Designsのことを好きになって頂けると思います。




——まずは自己紹介をお願いします。

TOO Designsは、共に建築士の資格をもったThomas Gouws (トマス・ゴウ) と Sureen Gouws (スリーン・ゴウ)の夫婦で立ちあげたブランドです。 もともとは建築士としてのキャリアを積んでいましたが、アートとデザインへの生涯にわたる情熱を持って、私たちは別のキャリアパスを追求する時期が来たと判断しました。そして3年ほど前に、よりバランスの取れたライフスタイルを求めて2人の娘、ラナとケイラと一緒にオーストラリアに移住してきました。建築士としては20年近く。南アフリカのプレトリアでも複数の賞を受賞させていただきました。TOO Designsの誕生は私たちの人生において、とても自然なステップだったといえるかと思います。




——あなたの国について教えてください。

心の奥底では常に南アフリカ人であり続けていますが、オーストラリアを故郷と呼び、この素晴らしい国で子供たちを育てることができてとても幸運であり、光栄に思います。私たちはメルボルン郊外にある美しいモーニントン半島に住んでいます。
メルボルンは本当に素晴らしい都市であり、世界で最も住みやすい都市の1つとして評価されていることは大変納得がいきます。私たちはより自然に近い田舎の静けさに住居を構えることを選びましたが、街が提供するすべてのエキサイティングなものにも簡単にアクセスできます。私たちは両方の世界の長所を持ち、共に暮らしています。




——週末の過ごし方について教えてください。

週末はだいたい家族の時間であり、子供たちを家の近くのビーチへ連れていき遊ぶのが大好きです。自然に親しむことは、私たちをしっかりと支え、人生の全体像を見るのに役立ちます。なにごともバランスがすべてです。

▲左上から時計周りに] ご自宅のあるモーニントン半島から程近いケープシャンク。サーフィンも盛んなガンナマッタのビーチ。ローズバットのビーチ。お二人がお好きな場所として挙げているイアン・ポッター・センター。サウスバンク。1854年に完成したオーストラリア国内初の駅となるフリンダース・ストリート駅。文化の中心かつ最もエネルギッシュな公共広場となるフェデレーションスクエア。そしてビクトリア国立美術館。




——ブランド名の由来は?

建築が建築士とクライアントとのコレボレーションであるのと同様に、私たちは最初からお客様を創造的なプロセスに巻き込み、パーソナライズの余地を残す製品を目指しました。「TOO」デザインという名前は、この精神を表しています。私たちは、お客様ご自身「も」デザイナー/アーティストとなっていただくことを望んでいます。


——デザイナーになろうと決めたきっかけを教えてください。

私たちのどちらにも特定のきっかけのようなものはありませんでした。それは自然に生まれるものであり、私たちを創造するように駆り立てる私たちの内側の何かです。


——あなたに影響を与えたデザイナーはいらっしゃいますか?

私たちは建築、製品デザイン、アート、彫刻、さらにはファッションまで、あらゆるデザイン分野の影響を受けています。私たちがデザインまたは創造するものはすべて、私たちの周りの視覚世界の解釈が反映されています。


——最近の主な活動内容を教えてください。

通常であればまず、その週の作業目標を設定する簡単なプランニングセッションから始まります。私たちは創造的に「非常に同期」しており、ビジネスのあらゆる側面で美しく協力しています。アドミニは仕事の中で私たちの最も苦手とする部分なので、さっさとやっつけてしまいます。午後の早い時間帯は、たいていの場合はウェアハウスでいただいた注文の処理と梱包に時間を費やします。そして月に数回、ブレインストーミングを行い、新製品のアイデアに取り組む時間もしっかりと設けています。
また、個々のアーティストとして独自の作品を制作する時間もそれぞれに設け、個性的なクリエイティビティを表現しています。


——デザイナーとしてのこだわりであったり、大切にしているものを教えてください。

大量消費が原動力となる世界において、私たちは品質を大切にしています。ご購入から数年で埋め立てられる可能性のある大量生産された製品であなたの人生を乱雑にするのではなく、数を絞って時代を問わずに何年も長い時間をかけて愛用するであろう作品に投資されることを支持します。

▲左] 組み立て待ちのTOO Tone clock 中央] Minimal clockをウェアハウスで組み立てているSureen 右] 新たなデザインを思案しているThomasとSureenの日常


——日本の皆さんにあなたのデザインに何を感じて貰いたいですか?

シンプルな美しさ。少ない方が実際には豊かです。色も私たちのデザインにおいては重要な要素です。私たちは皆、特定の色と感情的なつながりを持っており、お客様ご自身が共鳴する色を選択できる、その選択肢を提供する必要があると感じています。




——あなたにとってのデザイン美とは?

遊び心のあるミニマリズム。私たちの製品はすべて、ミニマリストの美学だけでなく、遊び心のあるコンポーネントを備えています。私たちは、お客様の個性を表現するために製品をカスタマイズし、その過程を楽しむために、設計プロセスにお客様にも関わって頂けるよう努めています。

ハンドクラフト インテリア ▲ 左] TOO tone clock。全242種類の配色の中から自分だけのカスタマイズをすることも 右] 徹底的に削ぎ落したMinimal clock。黒と白の2色展開。時計の針の色も選べます *クリックで製品ページへ


——あなたのモットーをお聞かせください。

成果は素晴らしいですが、人生で重要なことに時間を割いてください。成功の秘訣はバランスです。また感謝の気持ちを忘れずにマインドフルであることが鍵となります。




——オーストラリアのデザインに一貫した特徴はありますか? あなたのデザインにも反映されていますか?

オーストラリアのデザインは、節度があり控えめでありながら、エレガントで機能的なものが多いように思います。独創的でオーセンティックであるだけでなく、平然として寛容です。 自然の木材、落ち着いた色、ホワイトスペースの使い方など、自然との強いつながりがあります。




——特別にLOGAN atelierにだけ未発表のプロジェクトについて少し情報いただけませんか?

アートプリントのラインナップを拡大しようと忙しく動いていますね。エキサイティングな新しいデザインも間もなく登場します。ローガンアトリエさんでも近日中に取り扱いが開始されますので是非楽しみにお待ちいただけたら嬉しいです。

ハンドクラフト インテリア ▲ 近日中にLOGAN atelierでも販売を開始するアートプリントの一例。幾何学模様特有の無機質な感じに、その優しい色合いによって親しみやすさがプラスされています




——最後に日本の皆さんに一言あればお願いします。

日本の建築とデザインの純粋さ、バランス、そして調和は、何年にもわたって私たちにとって絶え間ないインスピレーションの源です。ミニマルデザインという時代を超えてDNAに受け継がれている概念を所有されている日本の皆さんと私たちの製品を共有できることを光栄に思います。






写真 Thomas & Sureen Gouws
建築士/プロダクトデザイナー
約20年もの建築士としての経験を経て、2019年にTOO Designsを設立。モダンインテリアのコーディネートに”個性”と”遊び”を取り入れ、今までにないほどに斬新、且つ自由な発想で自分だけのカスタイマイズインテリアを提案。

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